第607章 チームに溺愛される灰原さん

灰原優歌は一瞬止まった。「あなたの家?」

千田郁夫は少し頷いて、それからまた下を向いてこの贈り物を見て、何気なく灰原優歌に渡した。

「あなたが持っていて」

灰原優歌は思わず眉をひそめた。「何これ?」

「たぶん宝石だと思うよ、私には必要ないし」千田郁夫は自分の姉に聞いたことはなかったが、姉の豪快さからすれば、間違いなく宝石だろう。

灰原優歌はその贈り物をテーブルに置いた。「私も必要ないわ」

前回、柴田陸信たち三人が彼女に送った三つの金庫も、置いておくのが面倒だと思っていた。

「灰原さんは本当に面子を立ててくれないね」

千田郁夫は思わず軽く笑った。「ちょっとしたものだよ、Y.G.との連絡を手伝ってくれたお礼だ。あるいは、Y.G.に渡してくれる?」

ちょうどいい。

隣にいた秋木謙はその言葉を聞いて、思わず口元を緩め、興味深そうに灰原優歌を見た。