結婚して一年、彼女はここで家庭の温もりを感じたことがなかった。
この場所は、最初から彼女の家になるはずがなかったのだ。
幸い、まだ引き返すことができる……
明日には新しい人生を手に入れられると思うと、海野桜は期待に胸を膨らませ、重荷から解放されたような気分になった。
思わずベッドの上でくつろぎながら、これからの人生をどう過ごそうかと考えていた。
以前は勉強が嫌いで、頭の中は東山裕のことばかりだったから、結婚後は学校を辞めてしまった。
でも人生をやり直せるなら、もうこんな風に無駄にはできない。
勉強しようと思うけど、何を学べばいいのだろう?
海野桜は悩んでいた。本当に何を学べばいいのか分からなかった。
まあいい、まずは離婚してから考えよう。将来のことは後で考えればいい。