第85章 彼のために粥を作った

海野桜は自分で頼んだ夕食を食べた。

東山裕は夜も戻ってこなかった。山田大川が彼の荷物を取りに来て、彼が新しい部屋を取ったことを知った。

別々に住むのもいいだろう。

関係が完全に悪化してしまい、彼女も彼と気まずく過ごしたくなかった。

しかし、彼女が知らなかったのは、夜に食事会に出かけた人たちが全員食中毒になったことだった。

ただし、中毒の症状はそれほど深刻ではなく、軽い場合は下痢程度だった。

デザイナー二人の症状が比較的重く、嘔吐と下痢で脱力状態になりかけた。

彼ら二人は、回復まで数日間入院する必要があった。

東山裕も食中毒になったが、薬を飲んだ後、何事もなかったかのように皆を安心させ、強い精神的支柱となった。

しかし、二人のデザイナーの病状が深刻で、この数日間はまともに仕事ができないだろう。