第109章 離婚した

海野桜は背筋を伸ばして、「何でも言って、全部承知するわ!」

ほら、彼女は本当に彼と離婚したがっているのだ。

離婚協議書の内容も見ずに、彼の要求が何なのかも気にしていない。

彼と離婚できさえすれば、それでいい……

東山裕は心の中で自嘲した。だから離婚を承諾するのは、正しい選択なのだろうか?

彼女がそこまで望むなら、彼も尊厳を捨てて執着するようなことはしない!

東山裕は重々しく彼の要求を口にした:「北部の施設は老朽化していて、政府が建て直すことを決めた。東山グループがその工事を請け負った。新しい施設は設計し直す必要があり、会社は設計チームを立ち上げる。そこに君も加わって、設計に参加してもらう!」

海野桜は驚いた:「私が?」

男は頷いた:「ああ、君も来てもらう。設計の全過程に参加して、工事が完了するまでだ。それができたら、離婚に応じよう!」