第140章 容疑者を捕まえた

「なぜ突然停車したの?人が死ぬわよ!」

東山裕は理由もなく怒りを爆発させた。「ただの犬だろう!」

海野桜は一瞬驚いた後、苦笑いを浮かべた。「犬がどうしたの?犬にも命があるわ。犬の命だって尊重されるべきよ!」

「犬に対して尊重を語れというのか?」東山裕は冷笑した。「犬は犬だ。尊重なんてできない!」

彼の言葉に、海野桜は妙に耳障りを感じた。

何がそんなに気に障ったのか、本当に理解できない状態だった。

「いいわ、あなたに尊重してもらう必要なんてないわ!前の広場で停めてちょうだい。そこで降りるから!」高速道路を出ていなければ、今すぐにでも降りたいくらいだった。

東山裕の気配は冷たく、心の中の苛立ちは抑えきれなかった。

海野桜は彼が動かないのを見て、不機嫌そうに言った。「早く行ってよ。ここは高速道路よ。いつまで止まってるつもり?」