「ええ、今救命処置中です。幸い早期発見できたので、命に別状はないかもしれません。」
「どこにいるの?」
「市立第一病院です。」
「すぐ行きます。」東山裕は電話を切り、直ちに病院へ向かった。
今朝、林馨から突然かかってきた電話で、何か良くないことが起きたと予感していた。
なんとなく、何かを察していた。そして、それは恐らく自分に関係することだった。
しかし林馨は彼の電話に出ず、確認のしようがなかった。
まさか、彼女が自殺を図るとは!
東山裕は、昨夜ホテルで何か重大なことが起きたに違いないと確信を深めた!
しかも非常に深刻な事態に違いない。でなければ林馨がそれほど異常な行動を取るはずもなく、自殺まで図るはずがない……
東山裕は運転しながら、眉間にしわを寄せていた。
何となく予感があった。すぐに厄介な問題に巻き込まれそうな気がした。