第182章 おそらく彼に関係がある

「ええ、今救命処置中です。幸い早期発見できたので、命に別状はないかもしれません。」

「どこにいるの?」

「市立第一病院です。」

「すぐ行きます。」東山裕は電話を切り、直ちに病院へ向かった。

今朝、林馨から突然かかってきた電話で、何か良くないことが起きたと予感していた。

なんとなく、何かを察していた。そして、それは恐らく自分に関係することだった。

しかし林馨は彼の電話に出ず、確認のしようがなかった。

まさか、彼女が自殺を図るとは!

東山裕は、昨夜ホテルで何か重大なことが起きたに違いないと確信を深めた!

しかも非常に深刻な事態に違いない。でなければ林馨がそれほど異常な行動を取るはずもなく、自殺まで図るはずがない……

東山裕は運転しながら、眉間にしわを寄せていた。

何となく予感があった。すぐに厄介な問題に巻き込まれそうな気がした。

そう考えると、東山裕はすぐに携帯を取り出し、山田大川に電話をかけた。「すぐに会社近くの銀座ホテルの昨夜の監視カメラを確認してくれ。林馨が何か事故に遭ったかもしれない!」

「はい!」山田大川は何も聞かずに電話を切り、すぐに調査に向かった。

東山裕が病院に着いた時、林馨はまだ救命処置中だった。

柴田治人は暗い表情で外に座っており、彼が来るのを見ると立ち上がって尋ねた。「裕兄、一体何が起きたのか知っていますか?」

柴田治人の様子は冷たく、林馨の自殺未遂は明らかに彼の心情に影響を与えていた。

東山裕は知っていた。彼が林馨のことを好きで、彼女に求愛していたことを。

「私にもわかりません。」東山裕は冷静に答えた。「ただ、何か誤解があるのではないかと思います。」

「誤解?どういう意味ですか?」柴田治人には理解できなかった。

東山裕は経緯を全て説明し、さらに低い声で付け加えた。「具体的に何が起きたのかはまだ分かりません。調査を依頼したところです。」

柴田治人の目が微かに揺れ、何かを察したようだった。

しかし今は証拠がないため、確定的な判断はできなかった。

それに彼は東山裕を信じていた。彼が何かをするはずがないと!

しかし、一体誰が林馨に何をしたのか?

そう考えると、柴田治人は心の中の怒りを抑えきれなかった。

……

橋本友香の体温はすぐに制御できた。