第213章 愛は偽れない

前世、彼女は監禁されていた日々、毎日冷たく暗い部屋で丸くなることしかできなかった。

毎晩、家のすべてを狂おしいほど恋しく思っていた。

おじいさんの慈愛、張本家政婦の料理、そして家の暖かい布団。

あの時、彼女は本当に絶望していて、二度と生まれ変わる希望はないと思っていた。

しかし、彼女は生まれ変わった……

海野桜は本当に天に感謝していた、このような貴重な機会を与えてくれたことに。

だから今世は、誰かを恨むことなく、過去にこだわることなく、ただ良い人生を送りたいと思っていた。

ただ予想外だったのは、彼女が手放したのに、東山裕がまだ手放せないでいることだった。

海野桜はバカではない。今日の東山裕と相良剛の決闘は、過去の恨みだけでなく、彼女のことも原因かもしれないと感じていた。