第412章 彼女より大切なものはない

彼の言うことも正しい。

彼が認めなくても、警察署には記録があり、隠せるものではない。

でも……

「これだけでいいの?あなたが認めたら、会社は影響を受けないの?」

東山裕は首を振った。「もちろんそんなことはない。でも大丈夫、こういった影響は予想していたんだ。ある程度の損失は避けられないけど、心配しなくていい」

「きっとたくさん損失するわ……」海野桜はまだ心配していた。

彼女は誰よりも、東山裕が会社にどれだけ心血を注いできたかを知っていた。

どれだけ損失しても、それは彼の心血なのだ。

彼が痛みを感じなくても、彼女は彼の代わりに心を痛めていた。

東山裕は笑って言った。「仕方ないよ、結局僕は過ちを犯したんだから。責任を負うのは当然だし、この損失も自業自得さ」

「でもあなたはもう半年の代償を払ったじゃない」