第429章 私はもう怒っている!

以前はまだ、この二人が生涯愛し合うことはないだろうと思っていた。

思いがけず、その日はついに訪れた……

海野桜と東山裕はしばらく戯れた後、夕食を食べに行った。

今日の海野桜は本当に情熱的で、彼にマッサージをするだけでなく、絶えず彼に料理を取り分けていた。

「食べ終わったらプレゼントがあるわ」彼女は神秘的に彼に言った。

東山裕は落ち着かなくなった。マッサージに料理の取り分け、さらにプレゼントまで、海野桜は一体何をしようとしているのか?

東山裕は彼女をじっと見つめ、眉を少し上げた。「奥さん、今日はこんなに親切だけど、何か悪いことをしたんじゃないの?」

海野桜は首を振った。「ないわよ」

「本当にないの?」

「ないわ!」海野桜は真面目な顔で答えた。「あなたに優しくしちゃいけないの?」

「もちろんいいよ。プレゼントって何?今すぐ欲しいな」東山裕はもうプレゼントを受け取りたくてたまらなかった。

海野桜は笑って言った。「食べ終わってからね…」

しかし東山裕はすぐに箸を置いた。「もう食べ終わったよ」

海野桜:「……」

東山裕の期待に満ちた視線の下、海野桜は用意していたプレゼントを取り出して彼に渡すしかなかった。

プレゼントは美しく包装され、とても小さなもので、腕時計かネクタイピンに違いなかった。

しかし何であれ、東山裕はとても気に入っていた。彼は手に取るとすぐに、待ちきれずに開けた。

これは彼が初めて、こんなにもプレゼントを期待したことだった……

そしてプレゼントは、やはり腕時計で、ロレックスだった。価格はそれほど高価ではなかったが、デザインが良く、彼にとても似合っていた。

東山裕は思わず口元を緩めた。彼はすぐに手首の数百万円の時計を外し、この数万円の時計に付け替えた。

そして非常に気に入った、とても満足した表情を見せた。

海野桜はにこにこしながら尋ねた。「気に入った?見た瞬間、あなたにぴったりだと思ったの」

東山裕は顔を上げ、熱く優しい目で彼女を見つめた。「とても気に入ったよ。奥さん、僕はまだあまりプレゼントをしていないね。何が欲しい?贈るよ」

海野桜は首を振った。「私は何も不自由してないし、何も欲しくないわ」