第453章 東山輝昭——

それは毎晩、彼女が夢に見る馴染みのあるものだった。

海野桜はゆっくりと身を起こし、信じられない思いで彼に向かって歩き出した。

彼女はこれが夢ではないかと恐れ、彼の姿をはっきりと見ようと目を見開いたが、涙で視界が曇り、どうしても彼の姿がはっきりと見えなかった。

男はそこに立ったまま動かず、彼女が近づくのを待っていた。

ついに、海野桜は彼の前まで歩み寄り、恍惚としながら尋ねた。「東山裕、あなたなの?」

「一文字間違えている。東山裕じゃなくて、東山輝昭だ」彼は淡々と口を開いた。その口調は、見知らぬ人のようだった。

海野桜は驚愕して目を見開いた——

東山輝昭?

そして、彼女はついに彼の顔をはっきりと見ることができた。

とても端正な顔立ちで、東山裕と五、六分の類似点があったが、東山裕よりも冷たい邪気が漂っていた。