第463章 いい子だから、泣かないで……

しかし、心臓を避けたとしても、海野桜はとても怖く、危険だと感じていた！

彼女は唇を強く噛み締め、声を出して泣かないようにした。

東山裕は急いで傷口を隠し、彼女の涙にキスをした。「もう終わったんだ、悲しまないで。ほら、僕は元気じゃないか？」

「でもあなたは死にかけたのよ！」海野桜は嗚咽しながら尋ねた。「あの時、私に電話をくれた時に怪我をしたの？」

東山裕の目が一瞬揺れ、頷いた。「うん。」

「その時、私と話している最中に事件が起きたの？」

「……そうだよ。」東山裕は認めたくなかったが、どう隠せばいいのかもわからなかった。

結局、その時彼は確かに事件に巻き込まれ、海野桜もそれに気づいていた。

海野桜の心臓が突然痛みを感じた。彼女は突然、あの銃弾は東山裕ではなく、自分の体に撃ち込まれたような気がした！

東山裕は彼女が泣きそうなのを見て、急いで慰めた。「海野桜、もう過ぎたことだ。だから変なことを考えないで、泣かないで！」

しかし海野桜は突然彼を押しのけ、体を起こすと、わっと大声で泣き出した！

東山裕は驚いた……

これは彼が初めて海野桜がこんなにも遠慮なく泣くのを見た瞬間だった。

同時に、彼の心も動揺した。

「海野桜、妻よ、悲しまないで。僕は本当に大丈夫だから、ほら、泣かないで……」

しかし彼がどれだけ慰めても、海野桜は泣き止む気配がなかった。

彼女はますます悲しげに泣き、この数ヶ月間溜め込んでいた悲しみをすべて解き放った。

可哀想な東山裕は、彼女をどう慰めればいいのか全くわからなかった。

慰めれば慰めるほど、彼女はより悲しそうに泣いているようだった。

彼女がこんなに泣くのを見て、彼は自分の心が粉々に砕けるような気がした。

東山裕はもうどうしようもなく、思わず言った。「海野桜、君がそんなに泣くなら僕も泣くよ！」

すると案の定、海野桜はすぐに泣き止み、驚いて彼を見つめた。

東山裕は急いで彼女を抱きしめて慰めた。「海野桜、もし君がまた泣くなら、いっそ僕を刺してくれた方がましだ！僕は自分が血を流すことはあっても、君が涙を流すのは見たくない。」

海野桜はしゃっくりをしながら、不満げに言った。「泣きたくて泣いてるわけじゃないわ。ただ、自分をコントロールできなくて……」