第36章 - 素晴らしいデザイン

リジーはデザインを説明しながら、デビンの反応に満面の笑みを浮かべた。

「そう、このドレスは私たちの最も高価な5つのジュエリーを引き立てるようにデザインされているの」

デビンは慎重にデザインを吟味した。肌の露出は多かったが、手から肘までは布の手袋で覆われていた。ドレスの切り込みは胸の上部にあったが、下部には布地がたっぷりと使われていた。

鎖骨から胸元にかけての露出部分がダイヤモンドのネックレスを引き立て、ドレスや肌から注目を奪い、ネックレスを無視できないようにしていた。

「リジー、素晴らしい。これは彼女へのサプライズにしよう。さて、あなたの衣装を見せてくれ」デビンは探るように言った。

リジーはボードの紙をめくり、別のデザインを見せたが、デビンは眉をひそめた。彼が不同意を口にする前に、彼女は説明を始めた。

「お姉さんに注目が集まるように、私はこれにしようと思って」

それでもデビンは同意しなかった。「シンプルすぎる。そんな単純なドレスで私と一緒にイベントに出るなんてありえない」

ファッション界の王として、彼女にそんな服を着させるわけにはいかなかった。リジーは微笑んで再び紙をめくった。彼が反対することは予想していた。

「じゃあ、これはどう?」

次のデザインを見たデビンの目が輝いた。「そっちの方がいい。生地を用意して、イベントの前日までに全て準備するように」

「もちろん」リジーは同意し、ボードを持ってオフィスを出た。

デビンは妹であっても、他のスタッフと同じように扱った。

翌日、サブリナのオフィスでマーティンからメールを受け取った。サンプル契約書だったので内容を読んだが、その提案があまりにも良すぎて信じられないほどだった。クライアントに会いに出かけていた父親に急いで電話をかけた。

「お父さん、この契約すごくいい条件みたい。メールで転送したわ」電話が繋がるとすぐにサブリナは話し始めた。

「確認して折り返す」父親は言って電話を切った。

数分後、父親から電話があった。「ハードコピーを送ってもらって、届いたらすぐに署名しなさい」

サブリナは眉をひそめた。契約書に署名する前に、父親がもっと慎重になると思っていたからだ。「弁護士に相談しなくていいの?」