第77章 - マーラの不可解な心配

翌日、2年前の将軍の娘がクラブで薬物過剰摂取で救助されたスキャンダルに関するニュースが、動画とともに再び浮上した。

ソーシャルメディアのあらゆるチャンネルや新聞、さらにはニュースでも取り上げられた。今回、人々はマチルダを非難するのではなく、動画に映っている男性を非難し、マチルダに同情的だった。

ニュースは瞬く間に広がり、ネットユーザーは2年前にマチルダ・セイントの人生を台無しにした男の逮捕を要求していた。

マーティンがそのニュースを見たとき、驚いた。マチルダの無実を証明するものを探そうとしていたが、動画は消去されたと言われていたからだ。

サブリナが失望するだろうと考え、マチルダには話さず、まだ調査中だと言っていた。

この動画を入手した人物については、二つの可能性があった。脅威となる存在か、何かを企んでいる有力者のどちらかだ。

彼は急いでデビンに電話をかけた。デビンはそのことを知らなかったが、それを喜んでいた。

「マチルダについてのニュース、聞いた?」

「ああ、私がやったんだ」とデビンは告白した。彼は忙しすぎてマーティンに知らせる時間がなかったのだ。マーティンは驚き、一緒に取り組んでいたのに知らされなかったことに少し失望した。

「どうやって分かったんだ?君のハッカーも私のハッカーも何も見つけられなかったはずだが?」マーティンは動揺を隠しながら尋ねた。

「その通りだ。でも玄関先に届けられたんだ」とデビンは正直に言った。マーティンは混乱した様子だった。

「玄関先に?誰が?」

「分からない。でも本物の情報だったから、使わざるを得なかった」とデビンは明かした。

マーティンは、この謎の協力者が気になった。二人とも入手できなかったものを手に入れられるということは、その人物は二人よりも力を持っているようだった。

「情報源を気にしないのか?」

「まだ調査中だが、今は、マチルダにあんなことをした馬鹿を逮捕することの方が重要だ」とデビンは真剣に言った。

昨日動画を見て、マチルダが崩れ落ちる様子を目にしたとき、長い間感じたことのない怒りが彼の中で燃え上がった。

「個人的な問題として捉えているようだな。彼女のことが好きなのか?分かるだろう、何を言いたいのか」とマーティンは尋ねた。