「ねぇマチルダ、私の兄のことをどのくらい前から好きだったの?」サブリナは長い間心に抱えていたその質問を、ようやく勇気を出して尋ねた。
マチルダはサブリナの心中を読み取ることができず、サブリナが自分とロビンの関係について正直に話してくれていたのに、自分は今まで打ち明けなかったことに罪悪感を覚えた。
「大学の時からよ。でも彼が同じ気持ちじゃないかもしれないって怖くて、その気持ちを大事にしたくなかったの」マチルダは正直に答えた。食事は終わり、メイドたちがテーブルを片付けていた。
サブリナはひどく落胆した。もしマチルダが打ち明けていれば、デビンにそれとなく伝えることができたはずで、マチルダはスタンリーのような男に苦しめられることもなかったはずだと。
「話すべきだったわ。そうすれば、あなたたち二人は一緒になれて、リンジーのような女から彼を守れたはずよ」サブリナは、デビンの立場からそう言い換えた。
「リンジーって誰?」コビーは尋ねた。デビンが誰かと付き合っていたなんて記憶にない。
「僕の元カノだよ」デビンは正直に答えた。コビーは驚いたが、それ以上は追及しなかった。ただ子供たちと過ごす時間を楽しみ、近いうちに孫の顔が見られることを願っていた。
「怒ってるかと思った」マチルダはサブリナに言った。サブリナは怒っている様子はなかったが、それでも罪悪感は残っていた。
しかし、サブリナは正直に言った。「すごく失望したわ。親友なのに、あなたは私のことを思っているほど分かってないのね」
「ごめんなさい」マチルダは下唇を噛んで謝った。サブリナは首を振り、立ち上がってマチルダを後ろから抱きしめた。
「ううん。あなたが正式に家族の一員になってくれて嬉しいわ。それで、お父さんにはこのこと全部話すの?」サブリナはマチルダの表情を観察しながら、抱擁を解いて尋ねた。
「ええ、パーティーが始まる前に、みんなで会うべきだと思って」マチルダは自分の計画を述べた。コビーがパーティーに参加しないことは既に分かっていた。彼は夜の催し物が好きではなく、結婚式なら参加するが、それくらいだった。
「じゃあ、手配は僕がするよ」デビンが言った。彼もまたマチルダの父親と静かな雰囲気の中で会いたいと思っていたが、そのことはマチルダには言うつもりはなかった。