第244章 - 愛しい人、私も行くよ。ボディーガードなんだから

「マーティンは駐車場にいる」

デビンが何か言おうとした時、ロビンはイヤホンを彼の耳に近づけた。

彼はマーティンにデビンの声を聞かせたくなかった。状況を知っていることがバレてしまうからだ。

「聞こえたか?来るのか?うなずくなり何かして、聞こえてるって教えてくれ」マーティンがイヤホン越しに叫んでいたので、デビンは咳払いをしてロビンにうなずき、講堂を出て行った。

彼は怒り心頭といった様子だったが、ロビンは肩をすくめるだけだった。結局、彼が悪者として知られているのだから。

マーティンに関することについては、デビンが一番上手く対処できた。彼自身もマーティンと彼の姉の邪悪さの被害者だったからだ。

ロビンはデビンと話す時、その男に背を向けていたので、男はデビンがどこへ向かったのか分からなかった。