サブリナが座っていた部屋とベッドは、多くの思い出を呼び起こすだけだった。手紙の筆跡は、ロビンの亡き父ロナルドを懐かしく思わせた。サブリナは手紙の一字一句を読みながら、彼の存在を感じていた。
手紙の冒頭でロビンが変わったから手紙を読んでいると書かれていたが、サブリナにはその変化がいつ始まったのか分からず、後で彼に尋ねようと思った。
しかし、中盤から最後にかけて読み進めるうちに、サブリナはロビンがゼイラと彼女の父親を暴露する前に、この手紙を通してすべてを知っていたことに気付いた。
彼女の赤いドレスは、4回目の手紙を読む頃には涙で濡れていた。
彼女が自分の腎臓を提供して彼を救ったことを知ったために、ロビンが大きく変わったのだと感じ、心に重いものが沈んだ。
最初は、パーティーで知ったのだと思っていたが、それは間違いだった。これは彼女の望んでいた愛ではなかった。
誰かの命を救ったからその人を愛するというのは、彼女にとって十分ではなかった。もし別の機会に誰か他の人がロビンの命を救い、その見返りに結婚を求めたら?彼はそれに応じるかもしれない。
愛には条件があってはならない。心から湧き出るものでなければならない。真の愛とは、相手がそれに値するかどうかに関係なく、その人をありのままに愛することだ。
サブリナは、ロビンには大きな弱点があり、彼女の愛に値しないことを知っていたが、それでも愛さずにはいられなかった。
今でも、彼女の脆い心が彼を恋しがっているのが馬鹿らしく感じられた。
しかし、これがロビンが大きく変わった理由なら、愛だけでは二人を結びつけることはできないとも感じていた。
それは、ゼイラが彼の人生で騒動を起こしているのに、彼が何もせずに見ているのと同じ理由だった。
また、ダイヤモンドは偽物で売られたと聞いていたのに、なぜここにあるのだろうか?
涙を拭いてドアを開けると、ロビンが頭を膝に乗せて、哀れな様子でドアの後ろに座っているのが見えた。
サブリナは自分が2時間近くそこにいたことに気付き、ロビンがどれだけ長くドアの前にいたのか考えた。
彼が顔を上げ、視線が合った時、彼の目は彼女の目と同じくらい、あるいはそれ以上に赤かった。
「全部見たの?」彼は後悔の色を滲ませた声で尋ねた。