第397話 - 仲人サブリナ

「お願いがあるんだけど」

ジェイコブの目が依頼に輝いた。同時に驚きながら「義姉さんのためなら何でもするよ」と答えた。彼の熱意にサブリナは面白くなり、こう指示した。

「友達が門のところにいるの。中に連れてきてくれる?」彼女は嬉しそうに尋ねた。その笑顔にジェイコブは断れるはずもなかった。

しかし、ジェイコブの目の輝きは薄れた。これは彼が期待していたものではなかった。もっとも、彼女の頼みごとに何を期待していたのかは自分でもわからなかったが。

「もちろん。君と同じくらい美人だといいな」と笑顔で言ったが、その笑顔は目には届いていなかった。

シェフは少し眉をひそめた。たとえ親戚とはいえ、社長の妻に対するジェイコブの軽い調子が危険だと感じたのだ。

門に着くと、ジェイコブはオフィス着の女性を見て驚き、警備員に「彼女を通してください」と告げた。

サブリナが友人と言っていたので、カジュアルな服装か、せいぜいセミフォーマルな格好を想像していたのだ。

ローラは結婚式の披露宴でジェイコブを見かけていたが、ジェイコブの方はサブリナにしか目がなかったため、彼女のことは全く覚えていなかった。

「あなたここで何をしているの?」ローラは心配そうに尋ねた。サブリナがこの男と何か問題を抱えているのではないかと、保護本能が働いたのだ。

ジェイコブは眉を上げて「僕を知っているような口ぶりだね」と言った。

ローラは最初驚いたが、よく考えると彼が演技をしているのだと思った。「結婚式の披露宴で見かけました。あなたはサブリナさんを誘拐しようとしましたよね」とローラは率直に言った。ジェイコブは少し罪悪感を覚えたが、ローラの賢さに感心もした。

「賢い女性だね。残念ながら僕は気づかなかったな。それとも見た目が変わったのかな。とにかく、僕はジェイコブ、ロビンの双子の兄弟だよ」ジェイコブはローラに握手を求めて手を差し出したが、彼女は応じなかった。

眉をひそめながら、ローラは「何ですって?」と聞き返した。この男がロビンの双子の兄弟だとは信じられなかった。ロビンはそんなことを一度も話したことがなかったし、二人は似ても似つかなかった。そして何より、この男は以前サブリナを誘拐しようとしたのだ。