122 信頼

林紅子はもう怒り狂っていた。矢野常が矢崎美緒のせいでこんな状況に追い込まれたことを考えると、今すぐ矢崎美緒の前に行って平手打ちをかましてやりたい衝動に駆られた。

せっかく苦労して矢野常と矢崎美緒の関係を払拭したというのに、矢崎粟と公式によって完全に顔を潰されてしまった。

このような立て続けの展開に、ネットユーザーたちはもう矢野常を信用しなくなるだろう。これこそがタレントたちが最も恐れる信用危機だった。

「どうすればいいの?私たちの努力は全て矢崎粟の手柄になってしまった」林紅子は矢崎弘のオフィスに座り、険しい表情で彼を見つめた。「以前、矢崎粟は紫音エンターテインメントを去って、あなたたちに干されたって言ってたじゃない?でも今の状況を見ると、明らかに彼女の背後には優秀な広報チームがいるわ」