159 矢崎粟を助けたい

「こんなツイートを投稿して何のつもりだ?私が今、あなたと美緒のために矢崎粟と対決していることを知らないのか?」

矢野常は矢崎弘の言葉を一蹴し、十数年の付き合いで初めて彼の本心を暴いた。「矢崎さん、あなたの行動は本当に私と美緒のためだけなんですか?」

矢崎弘は一瞬固まった。「矢野、その言葉はどういう意味だ?」

「特に意味はありません。ただ、私は矢崎粟を助けたいだけです」矢野常の声には少し笑みが含まれていた。

それを聞いた矢崎弘は怒るどころか、冷笑して言った。「別れてから矢崎粟のことを気遣うようになったのか。付き合っていた時は何をしていたんだ?」

矢崎弘は更に皮肉を言い続けた。「偽善者ぶるのはやめろ。今さら深情な人物像を作ろうとしても、ネットユーザーが納得するとは限らないぞ!美緒があれほど優しくしてくれたのに、今更矢崎粟を助けようとするなんて。以前、バラエティ番組で矢崎粟があなたたちを攻撃していたことを忘れたのか?」