271 矢崎美緒の心配

矢崎美緒は矢崎若菜の話を聞き終わると、緊張して藤田川を一瞥した。

この藤田川の実力がどの程度なのか分からない。

もし本当に何か見抜かれたら、大変なことになる!

今はまだライブ配信中で、視聴者たちも見ているから、もし暴露されたら、きっと彼女の評判に影響が出るはずだ。

どうすればいいのだろう?

矢崎美緒は心配で、次々と対策を考えたが、すべて却下してしまった。

藤田川は少し意外そうに番組スタッフを見て、「今はライブ配信中ですよね?こういった内容を配信して大丈夫なんですか?」と尋ねた。

玄学法術のような禁忌的な要素を含むものは、もし配信ルームが閉鎖されたら困る。

しかし、ディレクターは頷いて言った。「大丈夫です。今は占いの配信ルームも多くありますし、国の関連部門も監督していますから、ご安心ください!規定に適合しています。」

彼は配信の盛り上がりをどうするか悩んでいたところだった。

今はよかった、玄学の話題があれば、きっとより多くの視聴者を引き付けられるはずだ。

矢崎若菜も頷き、「大丈夫、問題は起きないよ。もし何かあったら私が責任を取るから」と安心させた。

彼は本当に知りたかった。なぜそれらの不運な出来事が、いつも自分の身に降りかかるのか。

藤田川は言った。「この番組に参加した以上、私とゲストの皆さんには縁があるということで、見てあげることはできます。ただし、私の料金は高めです。一回五百万円ですが、それでもよろしいですか?」

この金額に、その場にいた全員が息を飲んだ。

まさかこんなに高額だとは。

いきなり五百万円と言い出し、しかもこれは見るだけの料金で、問題解決は含まれていない。

矢崎粟が補足した。「この料金は妥当です。藤田大師の実力からすれば、五百万円は非常にお得な価格です。」

藤田大師は五級上品の実力の持ち主で、もし占いの店を開けば、大金持ちたちが列を作って並び、料金は二千万円以上になるだろう。

最終的に見てもらえるかどうかは、藤田川の気分次第だ。

藤田川は頷いて、「そうです。私の最低料金は五百万円です。それ以下では見る価値がありません。」と言った。

この言葉に、皆の藤田川を見る目が変わった。

彼は本当に隠れた大師だったのだ。個性があり、原則を持ち、しかもこんなに簡単に金を稼げる。

きっと実力も相当なものに違いない。