476 旧知との出会い

二人は個室に入り、店の看板メニューのお酒を注文して、窓際に座って飲み始めた。

窓からは1階のステージがちょうど見えた。

眺めは悪くない。

二人は曲をリクエストし、心地よい音楽に耳を傾けた。

しばらくすると、一行がバーに入ってきて、1階の席に着いた。

ちょうど矢崎粟たち二人の視界に入る場所だった。

この数人は皆顔なじみだった。

矢野朱里は驚いて矢崎粟に尋ねた。「粟、彼らが来ることを知っていたの?」

テーブルの主な四人は、森田廣とその噂のある女性部下、それに矢崎美緒と従兄の小林瑞貴だった。

他にも大勢の金持ちの若者たちが付いてきていた。

矢崎粟は少し笑って、「彼らは彼らの酒を飲めばいい、私たちは私たちの酒を飲めばいい、邪魔にはならないわ」と言った。

そう言って、彼女は笑顔でその一行を見つめた。