500 一か八かの大勝負

先ほどの河村大師の衰弱した状態は明らかに反噬を受けた後の様子で、この点について森田廣はよく分かっていた。

彼は矢崎粟が怪我をするかどうかなど気にしていなかった。

しかし矢崎粟は矢野朱里の親友であり、もし矢崎粟が怪我をすれば、矢野朱里は彼をもっと嫌うに違いない。

河村大師はしばらく考え込んでから答えた。「その通りだ。相手もこの法術によって傷つくことになる」

彼が言わなくても、目の前の数人が他の玄学師に尋ねれば答えは分かるはずだった。

小林瑞貴は口を開いて尋ねた。「私の血を加えることで、相手に最大限のダメージを与えられる。これが呪術を破る理由なのか?」

彼は少し不機嫌そうだった。

こんな重要なことを、なぜこの老道士は早く言わなかったのか?

彼は心の中では矢崎粟が怪我をするかどうかなど気にしていなかったが、この老道士に騙されていたことに非常に腹が立った。