小林美登里は一目で分かった。このビデオは間違いなく矢崎粟が作ったものだと。
矢崎粟だけが、こんなに早く証拠を見つけられるはずだ。
だから病室に入った途端、小林家の人々が彼女にこんなに冷たい態度を取っていたのだ。
小林美登里は目を細めて、口を開いた。「お父さん、お母さん、私がこんなことをしたのは仕方がなかったの。呪いの毒を移さなければ、お腹がどんどん大きくなって、排泄も困難になるから、呪虫を移す方法を思いついたの」
そして、小林美登里は自分の病気の辛さについて長々と語り続けた。
小林潤たちは冷ややかな目で見つめるだけで、何も言わなかった。
小林美登里はさらに続けた。「呪虫を瑞貴に移したのは一時的なことよ。すぐに呪術師が来て瑞貴の呪虫を解くから、大したことにはならないわ。安心して。私は叔母なんだから、甥の命を軽々しく扱うわけないでしょう」