570 同じ運命

矢野朱里は法器を身につけてから、やっと不運から逃れることができた。

矢野朱里が不運に見舞われていた時期は、吉村久真子が必死に運気を吸収していた時期だった。

「じゃあ、私と彼女の運気は、どうやってつながったの?」矢野朱里は悩みながら考えた。

呪術をかけるには条件があるはず。いつ誰かに呪術をかけられたのだろう?

矢崎粟は少し考えて、「その人は恐らくあなたの血と髪の毛を手に入れて、秘術で呪いをかけたのでしょう」と言った。

「この二つの呪いの方法には、何か違いがあるの?」矢野常は心配そうに尋ねた。

もし矢野朱里の体に害があるなら、早めに呪いを解かなければならない。

矢崎粟は少し考えてから、「同じ時刻に呪術をかけると、より隠密になり、繋がりも強くなって解きにくくなります。血液と髪の毛で呪いをかけると、天道に発見されるリスクがあり、繋がりもそれほど強くありません」と説明した。