「そうだ、その方法がいい。彼女の事務所のタレントを抑え込もう」
「矢崎家のタレントの管理をもっと徹底して、干されているタレントたちのメンタルケアをして、彼らに矢崎家への帰属意識を持たせよう。彼らが矢崎家に残る気があれば、矢崎粟は手の打ちようがなくなる」
「業界内の小道具スタッフやメイクアップアーティストなどと連携を深めて、矢崎粟の事務所のタレントに対抗させよう」
社長室内で、皆が次々と熱く議論を交わし、矢崎粟の事務所を東京から一掃したいと願っていた。
鈴木大翔は満足げに頷き、そのように実行することを決めた。
彼は矢崎粟が助けを求めてくるのを待っていた。その時こそ、思う存分嘲笑い、数人のタレントを与えて、矢崎家でマネージャーをさせるつもりだった。
三日後。
矢崎粟は小島一馬に電話をかけ、その日に会う約束を取り付けた。