719 呪いの毒が解けた

彼は粟を責めなかった。

ただ小林家が粟に申し訳ないと感じ、彼のわがままな妹も粟に申し訳ないと思った。

小泉西も急いで言った。「粟、遠慮しないで。これは小林家からのほんの気持ちだから、この数日は中華街で思う存分楽しんで、後で義理の兄に請求してね。」

彼女は矢崎粟にウインクした。

矢崎粟は返事をしなかった。

小さなベッドの小林瑞貴がようやく目を覚まし、眉をひそめながら必死に目を開けた。「お父さん!お母さん!」

「はい、母さんはここよ。今どう感じる?」小泉西は慌てて尋ねた。

彼女は後遺症が残るのではないかと心配だった。脳はとても繊細だからだ。

小林瑞貴は頷いた。「すごく良い感じです。さっきベッドに横たわった後、粟が来て私の頭に触れたら、その後のことは覚えていません。」

矢崎粟は説明した。「解毒術の時は、睡眠状態になる必要があったので、少し眠ってもらいました。あなたの脳内の呪虫は今すでに除去されたので、これからは普通の生活ができます。」