藤村敦史は身につけていた武器袋を開き、青い光を放つ長い鞭を取り出して矢崎粟に向かって振り回した。「矢崎粟、今日がお前の命日だ!」
鞭は毒薬に浸されており、矢崎粟が触れれば確実に死ぬはずだった。
リビングにいた小林美登里と矢崎美緒は一瞬固まった。
数秒後、二人は悲鳴を上げながら、部屋の隅へと逃げ込んだ。
二人とも何もできず、人質にされかねない。生き延びるためには早く隠れるしかなかった。
小林美登里の頭は混乱していた。
なぜ突然戦いが始まったのか理解できなかった。堀大師は矢崎粟を助けに来たのではなかったのか?
なぜ彼も矢崎粟を攻撃するのか?
矢崎粟は法力で長剣を作り出し、藤村敦史の鞭に向かって振り下ろすと、一気に鞭を引き寄せた。
彼女は冷ややかに言った。「武器すら握れないのに、何を戦おうというの?早く逃げた方がいいわ!」