844 家から追い出される

竜田おばさんは前からずっと矢崎美緒を叱りつけたいと思っていたが、今やっとその機会を掴んだ。

彼女はこれほど恩知らずな人を見たことがなかった。

矢崎美緒は叱られて頭が混乱し、「何を...何を言っているの?分からないわ」と言った。

矢崎美緒は心の中で「まずい、小林美登里も知ってしまったに違いない」と思った。

どうすればいいの?

帰り道で、矢崎美緒は紙は火を包めないことを予想していたので、今夜小林美登里を海外に暫く住まわせようと考えていた。そうすれば、小林美登里は何も知らないままでいられるはずだった。

でも今や使用人までも知っているなら、小林美登里も必ず知っているはず。

玄関前の荷物を見ると、小林美登里は彼女を追い出す気なのだろう。

矢崎美緒は心が動揺していた。

このまま追い出されるのは納得できない、すべてが突然すぎる。