846 5億を送金する

矢崎美緒は単独で取り調べを受け、お金を盗んだことを認めず、このお金は小林美登里が彼女に送金するように言ったと強調した。

警察は矢崎美緒がそれほど確信しているのを見て、どうすることもできなかった。

その後、警察は小林美登里と単独で面会し、現状を説明した。

小林美登里は断固として主張した。「このお金は矢崎美緒が勝手に送金したものです。私は彼女を家から追い出したのに、なぜまだお金を渡すはずがありますか？彼女はあなたたちを騙しているんです。」

警察は頭を抱えて、「彼女は出て行く時に、あなたが5億円を送金するように言ったと言っています。」

「絶対にありえません！」

小林美登里は興奮して立ち上がり、「矢崎美緒の両親は私の娘を誘拐した犯人なのに、どうして私が彼女にお金を渡すはずがありますか？」

彼女はバカじゃない！

もしかしたら、以前の彼女は少しバカだったかもしれないが、今はもうバカじゃない。

警察は続けて、「しかし、あなたはこのことを知った後も矢崎美緒を側に置くことを選んだと聞いています。あなたが彼女を許したという可能性も否定できません。」

「あなたたち、頭がおかしいんじゃないですか？」

小林美登里は怒って机を叩き、胸に手を当てながら言った。「調べてみてください。私は彼女を追い出しました。彼女はホテルにいる時に勝手にお金を送金したんです。私は彼女に会っていないのに、どうやって送金を指示できるんですか？」

この警察たちは本当に腹立たしい。

なぜ泥棒を裁くのがこんなに難しいのか？

警察はさらに言った。「出て行く時に言われて、ホテルに戻ってから送金した可能性も否定できません。もちろん、これは推測に過ぎません。我々警察としてはより多くの証拠を集める必要があります。」

「証拠って何の証拠？彼女が私のお金を送金したことは、銀行に証拠があるじゃないですか。他にどんな証拠が必要なんですか？」小林美登里は怒り心頭だった。

「奥様、まずは落ち着いてください。こうしましょう。我々でもう少し調査をして、後ほど改めてご連絡させていただきます。」警察は小林美登里の感情が不安定で、しかも病院を出たばかりということもあり、一時的に調査を中断せざるを得なかった。

もし小林美登里が警察署で何か問題を起こしたら大変なことになる。