金先生は少し呆気に取られた。まさか「祖父と孫」の再会劇がこんなにも気軽なものになるとは思わなかった。
しかし、心の中では少し嬉しかった。年長者に可愛がってもらえるのは、いつだっていいことだ。特に甘松柏は県内でも有名な漢方医で、医家の家系であり、景雲昭も医術が好きなので、百利あって一害なしだ。
事が決まると、後のことは随分と簡単になった。
今日は授業がないので、学校の布団二組を片付けて、夜には甘松柏が言っていたマンションへと向かった。
甘松柏は送っていきたがったが、孫たちと約束があるらしく、「料金日」以外は大人が勝手に邪魔をしてはいけないということで、電話で連絡するだけに留めた。
そのマンションは「温馨花園」という名前で、大きくはないが、その名の通り、シンプルで温かみのある雰囲気だった。