第51章 結末

この事件があまりにも深刻になったため、呂佳の両親は彼女の退学手続きを済ませた。

呂佳のいとこも拘留されている。過失傷害とはいえ、すぐに警察に通報しなかったために被害者の容態が悪化し、最終的に植物状態になってしまった。

呂佳については、未成年ではあるが、保護者にも一定の責任があり、賠償は避けられない。呂佳の両親の世代は、この事件で完全に決裂してしまい、以前のように彼女を可愛がっていた叔母たちも、今では極度に恨んでいる。

景雲昭もこの事件で生活が大きく変わった。

以前はクラスメートたちから軽蔑や嫌悪の目で見られていたが、今では完全に恐れの目に変わった。

外では景雲昭について不思議な噂が広まり、彼女は奇妙な武術の使い手で、背後には強力な人物がいると言われている。

これらの噂を聞いて、景雲昭は可笑しく思った。

「雲昭、あなたの心の持ちようは良すぎるわ。クラスのみんながあなたをどう見ているか知ってる?」授業中、蕭海清は彼女の腕を突っついて、小声で尋ねた。

蕭海清には理解できなかった。世の中にどうして景雲昭のような変わり者がいるのだろう!

しょっちゅうトラブルを起こすだけでなく、ますます不気味になっていく。それなのに本人は何事もなかったかのように、授業中はいつも通りで、唯一おかしいのは、日常的に口にする言葉の中に、理解できない薬の名前がよく出てくることだった。

「人の口は自分のものじゃないから、どうしようもないでしょう?」

景雲昭も困り果てていた。以前は自分の評判を取り戻そうと思っていたが、評判が少し良くなったと思ったら呂佳の件が起きてしまい、今では誰もが彼女が夜中に路地を徘徊し、武術の心得があることを知っている。蘇楚と蕭海清のように勇敢に友達になってくれる人なんているだろうか?

蘇楚でさえ、最近は彼女を怪物を見るような目で見て、過去にほかの英雄的な出来事がなかったかと好奇心を抑えきれずに聞いてくる。

「今じゃ他校の人までもあなたが暴力分子だって知ってるわよ…」この言葉を口にして、蕭海清は自分でも笑ってしまった。「あなたのそのマッチ棒みたいな体つきで、暴力分子なんて。風が吹けば飛んでいきそうな紙人形の方がまだましよ…」

「紙人形が一食で米を三杯も食べるのを見たことある?」景雲昭も笑って言った。