第48章 私がやったんじゃない

景雲昭が全ての経緯を説明し終えると、呂佳の表情は恐怖に変わり、まるで幽霊でも見たかのように彼女を見つめていた。

彼女の話には一切の嘘もなく、また一切の省略もなかった。このような異常な記憶力は、本当に背筋が凍るほどだった！

「信じられないわ！私の息子はあなたなんて知りもしないのに、なぜあなたを止めたりするの？きっと、あなたが何か不適切なことをしているのを見かけて、注意しただけなのよ。それなのにあなたは聞く耳を持たず、むしろ彼らに暴力を振るったのね！」その従兄の母親は攻撃的に言い放った。

もしこの女の子の言う通りだとしたら、息子の人生は終わってしまう！？

どうあっても、彼女は信じなかった。息子は自分の子供なのだから、どんな性格をしているか、母親が一番よく分かっているはずだ。

「今なら分かりました。なぜあなたの息子がこんな濡れ衣を着せるようなことをしたのか。全てはあなたという母親から学んだんですね。上が曲がっていれば下も歪むというわけです！」景雲昭は冷たい目で見据えながら、容赦なく言い放った。

「この生意気な子！」その婦人は聞くや否や、手を伸ばして飛びかかってきた。

景雲昭は身をかわし、婦人は空を切って地面に転んでしまった。

景雲昭はその様子を見て、こう言った。「警察のおじさん、このように人を陥れようとして逆に自分が傷つくということは、珍しいことではありませんよ。ご覧になった通りです。」

「それに、私は年齢は若いですが、誰かに冤罪を着せられるままにはなりません。私は無闇に事を起こしてもいないし、私の指紋も残っていない。この同類の連中の一方的な言葉だけで、私が人を傷つけた、さらには殺人までしたと判断するなんて、あり得ません！」

相手の数が多くても、決定的な証拠がない以上、彼女は絶対に認めるわけにはいかなかった。

景雲昭のこの言葉は力強く響き、その眼差しは石のように固く、見ている人々の心を刃物で削られるような思いにさせた。

「その通りだ！数が多ければ勝てると思っているのか？病院にまだ一人寝ているだろう？彼が目を覚ましたら、事の真相も明らかになるはずだ！」甘松柏も怒りを込めて言った。

この件は今の時点では、どう弁解しても誰が正しくて誰が間違っているのか、はっきりさせるのは難しかった。