第186章 芝居

甘松柏は本当に怒り心頭に達していた。

彼は秦志學が善人ではないことを前から知っていたので、怒りはするものの、この畜生のために体を壊すわけにはいかなかった。

しかし、この劉部長は人間のはずだろう?しかも、この若造は彼が幼い頃から見守ってきた子供だ。成長してからは疎遠になったとはいえ、彼と劉院長の関係は悪くなかったのに、この孫がとやかく言う立場にあるのか?

秦志學には腹が立って歯ぎしりするほど憎かったが、この劉部長には心が痛むばかりだった。

これが医者というものか!

彼が小さい頃、祖父や父は人としての道を教えてから、医術を教えたものだ!劉部長のこの態度は彼の人格を侮辱している!医の倫理がないと認めろというなら、命を取られる方がましだ!

劉部長は頬を押さえながら、甘松柏を睨みつけた。彼の長老のような威厳に、内心自信が揺らいでいたが、それ以上に怒りが込み上げてきた。どう言っても自分は部長であり、将来この病院を継ぐ身なのだ。甘松柏がこれだけの人前で自分の顔を叩くなど、それは彼の面子を潰すことであり、今後どうやって威厳を保てというのか?