景雲昭はこの時、目の前の人々に対して極めて嫌悪感を抱いていた。
もしこれらの人々が全くの無関係な人々であれば、それはそれでいい。結局、誰にでも好奇心はあるものだし、是非を判断せずに傍観するだけなら間違いとは言えない。でも、甘祖父はこの病院で何十年も働いてきたのに、彼のことを理解している人は一人もいないのか?
ここには彼の元患者や現在治療中の患者もいれば、彼から指導を受けた同僚もいる。それなのに、重要な時に手を差し伸べることができないのか?
確かに、彼らの中には助けようと躊躇している人もいたが、結局誰も行動を起こさなかった。
年配の方は様々な面で耐える力が低下する、そんなことは彼らも知っているはずだ。一秒の遅れが危険を増すことも分かっているはずだ。要するに自分の利益だけを考えて、巻き込まれることを恐れているだけだ。