第244章 人の道を外れた

黎少雲は生まれながらの気品を纏っており、その姿を見た周りの人々は一斉に静まり返った。

彼の後ろには杜霖一人だけがついており、他には誰もいなかった。杜霖は地面に倒れている王新芳を見て、口を歪めて体を横に向けた。ようやく、なぜ黎さんが景雲昭がトラブルに巻き込まれたと言って、わざわざ戻ってきたのかが分かった。

実の親がこんな有様では、確かに悲惨だ。

景雲昭はまだ未成年の少女なのだ。実の親が見つかれば、後見人としての責任は当然彼らに移るはずで、養父母よりもずっと多くのことを決定できる立場になる。もし景雲昭が反抗して関係が決裂すれば、彼女は必ず世間から顔も上げられないほど非難されることになるだろう。

景鐵軍はこの来訪者を見て心が震えた。彼は世間知らずではあったが、この二人が並の人物ではないことは見て取れた。心中不安を感じながらも、自分が今は景雲昭の実の父親という立場であることを思い出し、少し勇気を得て前に出て「お前たちは誰だ?」と言った。