杜霖は二メートル先まで投げ飛ばされ、頭上から棒で殴られそうになり、思わず体が震えた。しかし、彼自身も多少武術の心得があり、反射的に反撃を加えた。そこで自分が想像していたほど弱くないことに気づき、一時的に興奮してきた。
男の心の中には誰しもヒーローが潜んでいるもので、杜霖はこの時、自分の姿が無比に大きく感じられた。
ただ、黎少雲の様子を見ると、とても直視できるものではなかった。
彼は自分の位置を代わって景雲昭の後ろに立っていたが、その長身は少し有利に働いていた。景雲昭に守られているように見えながら、実は彼女を後ろからのすべての攻撃から守っていた。その目は周囲の人々の動きをすべて見通せるかのようで、後ろから攻撃が来るとすぐに景雲昭に知らせ、時折自ら手を出すこともあった。