第304章 羨望と嫉妬と憎しみ

蔣夏が言い終わると、蔣お母さんは悔しそうに顔を背け、蔣文勝は気まずそうにため息をついた。

「夏ちゃん、お前とお母さんで見てきてくれ。私は行きづらい。この通りの人々は皆私を知っているからな」と蔣文勝は言った。

蔣夏と母親は、その意見に同意した。

同業者同士で、蔣文勝が大の男として様子を見に行くのは、面子が立たない。

母子は服を整え、しばらくして家を出た。この通りは外のような大通りではなく、一方通行だったため、客が買い物をするのに便利で、近くの店の商売も概ね良かった。以前は奥に行けば行くほど静かになっていたのだが、今日は違っていた。

周辺で骨董品や文房具を買う客たちが一回りして珍しい景兒を見つけると、そちらへ向かって行き、見物していた。そのため、この道は人通りが少なくなるどころか、むしろ多くなっていた。

さらには玉霊茶館の周辺の数軒にまで影響が及んでいた。

以前は皆、奥まで行くのを面倒がり、外で適当なものが買えると思っていたが、今では考えが変わった人もいた。それらの店は普段客が少ないため、店主は一人の客を見かけるたびに非常に熱心に客引きをし、通りの入り口にある店のような冷たい態度や不敬な態度はなかった。

酒香は路地の奥でも漂うものだが、この玉霊茶館のお茶の香りは遠くまで漂っていた。

蔣夏と母親は入り口まで来たが、躊躇していた。

「お母さん、この車知ってるよ。最高級仕様のやつで、何千万円もするって聞いたことがある……」蔣お母さんが入るべきか迷っているとき、蔣夏は突然ある車を指さして言った。

「これも安くないわね、おそらく数百万円はするでしょうね?」蔣夏はすっかり驚いていた。

彼は男の子なので、車には当然興味があり、普段からネットで車に関する動画や紹介を検索し、いつか自分もそんなかっこいい「愛車」に乗って、好みの美女を迎えに行けることを夢見ていた……

しかし、実際にその車が目の前にあると、触れることすらできなかった。

最低限の分別は持ち合わせていて、もしうっかりこの車に傷をつけでもしたら、家族が破産するかもしれないと分かっていた。