第318章 全部は私が倒した

ただ道中、花泥棒は少し心配になっていた。これほど長い時間が経ってしまうと、もう手遅れになっているかもしれない。彼らが到着する頃には、あの若い子はすでに殴られているのではないだろうか?

しかも黒豹さんが自ら人を連れて出向いたのだから、単なる暴行だけでは済まないはずだ。きっと何か記念に残るような傷を負わせているに違いない。

花泥棒はため息をついた。もう遅いかもしれないが、せめて病院に連れて行くくらいはしてあげよう。それが人としての務めだろう。

道中ずっと考えていたが、花泥棒が仲間を連れて路地に駆け込んだ時、彼は衝撃的な光景を目にした。

壁に背を寄せて座り込んでいる少女が一人。漆黑の瞳で彼を見つめていた。そして彼女の向かい側には、確かに五十人以上の男たちがいたが、明らかに全員が怪我を負っていた。鼻は腫れ上がり、腕や足は使い物にならない状態。残りの者たちは血まみれで、特に悲惨な有様だった。

群衆の中に、花泥棒は見覚えのある姿を見つけた。それは彼が見ても「兄貴」と呼ばざるを得ない黒豹さんだった……

暗闇を通しても、花泥棒には黒豹さんの顔が真っ青で、胸元が血に染まっているのが分かった。

怪我をしているのか?

花泥棒は驚愕した。もしかして先ほど別の集団が来ていたのだろうか?

景雲昭は地面から立ち上がり、花泥棒の方へ歩み寄った。

彼女も驚いていた。この花泥棒は二十四、五歳くらいで、とても若かった。特別イケメンというわけではないが、それなりの雰囲気を持っていて、整った顔立ちをしていた。ただし、こういった街で生きる者特有の反抗的な雰囲気は隠せなかった。

「来たの?これらの人たちはあなたにあげるわ」景雲昭は言い、続けて「この黒豹さんの配下はこれだけじゃないでしょう?」と尋ねた。

「?」花泥棒は困惑した表情を浮かべ、しばらくして「あなたが、あの……」

若い男の子?

以前電話で話した時、相手の声は若くて少しかすれた低い声だった。確かに若い男の子のはずだったのに、どうして女の子に変わっているんだ?しかもこんなに……美しい女の子に。

それに、今この状況は一体どういうことなんだ?黒豹さんの部下たちがなぜこんな状態に?

「そうよ」景雲昭は躊躇なく答えた。