第349章 天才

この中庭はとても広く、真ん中に特別に二つの長いテーブルが設置され、その上には各種の補助材料や薬材を調製する際に必要な道具、さらには釜まで置かれていた。

しかし、ここでの第一の勝負は調製ではなく、記憶力だった。

景雲昭は自分の席に着くと、テーブルの上に一冊の本が置かれているのを見た。その本は厚くなく、表紙は真っ白で、中身も分からなかった。孫顏も同様で、二人が勝負を決めた後は出題者と隔離されており、事前に情報が漏れることは一切なかった。

皆が言うには、この孫顏は聡明で、教わったことは一度で覚え、一度見ただけで忘れない能力があるという。

これが孫顏の長所であり、だからこそ景雲昭は勝負を挑んだのだ。

実際、いわゆる一度見ただけで忘れない能力は、時として育成することができる。例えば彼女の場合、幼い頃から書物に多大な努力を注ぎ、暗記するものが増えれば増えるほど、記憶の速度も上がっていった。転生前でも記憶力は優れており、単純で複雑でないものなら基本的に一度で覚えられた。そして転生後、空間を得て、さらに霊玉を吸収したことで、本当の意味での完璧な記憶力を手に入れたのだ。