第402話 受け入れてくれてありがとう

孫顏は怒りを抑えた表情で、周りの人々が気づかないうちにこっそりと横に移動し、その場を離れようとした。

しかし、あと一歩というところで誰かに引っ張られ、振り向くと紀姍姍の顔があった。「孫顏、どこに行くの?さっきまでよく喋ってたじゃない?どうして今は黙ってるの?」

「何を言ってるのか分からないわ……」孫顏は唇を震わせた。

「分からないって?今さら怖気づいたんでしょ?景雲昭が手強いって分かったの?でも私の記憶が正しければ、さっき洪お嬢様に景雲昭が孤児だって教えたのはあなたでしょう?そうそう、私たち三人は度胸があるって言ったのもあなたよね。洪お嬢様はあなたの言葉を聞いて、鞭で私たちを脅かそうとしたんでしょ?つまり、あなたが余計なことを言わなければ、洪お嬢様は私たちを無視していたかもしれないし、こんなことにもならなかったはず。そう思わない?」紀姍姍は今や理路整然と話した。