第434章 正式な恋人

孟林は疑わしげな表情を浮かべた。どうしてそんなことがあり得るのか?景雲昭のような美人を側に置いて、白俞安が心を動かされないはずがない?

しかし考え直してみると、この白俞安は偽善的な中年男で、さすがに露骨な手は出せないだろう。本当に妹のように思っているのかもしれない。そう思うと急に嬉しくなった。景雲昭が他人に弄ばれた女だと思っていたので少し気分が悪かったが、もし彼女がまだ清らかなままなら、それは話が違ってくる。

そうなら、とりあえず正式な彼女として付き合うのも悪くない。

孟林の反応に白俞安は理解に苦しんだ:「孟さん、もし私を呼んだのが景雲昭のことだけなら、私の言うことはここまでです。」

そう言って、立ち上がって去った。

彼が今回来たのは、本当に孟さんが景雲昭を狙っているのかを確認するためと、彼の態度を見極めるためだった。

会社に戻る途中、白俞安は景雲昭に電話をかけた。

「この孟さんは道理の通じない人間だ。それに家柄も良いから、君に目をつけた以上、簡単には諦めないだろう。雲昭、もうすぐ年末だし、洪家の件は私が見ているから、君は先に華寧県に帰った方が良い。」と白俞安は言った。

孟林のような下半身で考える動物は、必ず女性を第一に考える。手に入れるまでは決して諦めない。

この孟家は洪家とは違う。さらに市長の叔父もいるので、避けられるなら避けた方が良い。

「はい、分かりました。」と景雲昭は答えた。

孟林を本当に恐れているわけではなく、この頃彼女への招待が多かったからだ。

年末まであと数日しかなく、白俞安の両親も甘家も彼女を招待していた。彼女が寂しく年を越すことを心配してのことだった。ただ、白家は寧郷町にあり、喬家と隣同士だった。今は喬家に彼女を脅かす人はいないものの、喬尉民がまだ負傷して家にいる。もし出くわしたら、また不愉快な思いをすることになる。

それに、寧郷町の人々は彼女のことをよく知っているので、外出も不便だ。彼女は白家の両親ともそれほど親しくない。

甘家についても、景雲昭は同様に断った。

甘旦那さんは彼女を実の孫娘のように思ってくれているが、甘家には甘旦那さんだけではない。この甘堇辰の両親からも必ず気遣いを受けることになる。善意とはいえ、彼女がいれば、他の家族も落ち着かないだろう。