第500章 かっこいいね

二人の兄弟の言葉を聞いて、同じテーブルの学生たちは心が揺らぎ、しばらくすると値段交渉を始めた。

景雲昭はこれらすべてを耳にして、顔色が恐ろしいほど暗くなった。

以前の正月の関係で、蘇楚はずっと蘇家に住んでおり、元々三人で住んでいた温馨花園には引っ越していなかった。さらに蘇家の両親は忙しく、蘇楚は家がこの二人の兄弟に荒らされることを心配して、家に長く滞在しようと考えていた。ただ、この二人がこのような考えを持っているとは思いもよらなかった。

しかし、この時の蘇楚はまだ困惑した表情で「従姉さん？具合でも悪いの？顔色がすごく悪いけど」

「パン」という音とともに、景雲昭は箸を置いた。

「汚いものに吐き気を催した」景雲昭は立ち上がり、鐘家の兄弟の方向へ歩み寄った。

「従姉さん？」蘇楚は後ろから声をかけたが、何が起きているのか分からなかった。

その時、鐘良と鐘毅の兄弟は同時に振り向き、景雲昭を見ると目に嫌悪感が浮かび、そっくりな二つの顔は同時に軽蔑するように顔を背けた、まるで知らない人のように。

テーブルの他の学生たちは驚き、少し後ろめたい気持ちになった。

彼らは景雲昭と蘇楚の仲が非常に良いことを知っていたが、よく考えてみると、二つのテーブルは近かったものの、周りがうるさかったので、さっきの会話は聞こえていないはずだと思った。

そう思うと少し安心し、景雲昭を見て、二人の学生が親しげに「先輩、こんにちは！」と呼びかけた。

景雲昭は学年全体の有名人物で、彼女より一学年下とはいえ、景雲昭のことを聞かない日はなかった。さらに最近、景雲昭は警察と協力して人身売買組織の事件を解決し、学校でも表彰されたため、彼女を知らない人はいないほどだった。

そして、校内美人ランキングにも景雲昭の名前があったが、彼女は冷たい雰囲気で近寄りがたかったため、蘇楚ほど人気はなかった。

景雲昭はこれらの学生たちを一瞥し、口角を上げて軽く鼻を鳴らした。

次の瞬間、彼女は目の前の食事トレイを持ち上げ、半分食べかけの料理を鐘良と鐘毅の頭上に直接ぶちまけた。

瞬時に、米粒と野菜汁が髪の毛に付着し、見るからに油っぽく気持ち悪い状態になった。

「お前…」その数人の学生は景雲昭が何故そうしたのか分からなかったが、先ほどの自分たちの発言を思い出し、自信なさげに弱々しく「何するんだよ…」と言った。