第498章 男女二人きり

しかし今の鐘清は行き場がなく、文鴻の言葉に自然と応じ、夜には機嫌を取ろうとする気持ちで豪華な料理を作った。

二人きりの空間で、空気が甘く変わり、鐘清の顔が赤くなると同時に頬が薄紅色に染まり、話し方もだんだん優しくなっていった。

鐘清は今やあの純情な女の子ではなく、特に以前自分の初めてを孟さんのような遊び人に捧げたことを思い出すと、心の中で少し不平を感じずにはいられなかった。

今や独身の男女が毎日同じ部屋で過ごすのは、まさに火のついた薪のようなもので、数日も経たないうちに、関係は一層深まった。

そしてこの時、鐘清の二人の弟も正式に入学していた。

鐘清の行動について、蘇楚が両親に事情を説明すると、二人も驚いて言葉を失ったが、鐘清を引き留めようとする様子は見せなかった。結局彼らにとって、一人の女の子がクラブハウスで「身売り」の契約を自ら進んで結ぶなんて、どんな考えからであれ理解できないことだった。