第549章 重要な場面

景雲昭は何度も何度も恋文の束を黎少雲の胸に押し込み、彼の少し戸惑いと困惑の表情を見て、やっと気分が晴れた。

黎少雲という後見人は確かに彼女に多くの便利をもたらしたことは否めない。以前はクラスメートたちの彼女を見る目には同情の色が多く含まれていた。彼女が成績優秀で、武術も身につけ、何でもできるように見えても、彼女と話すときは常に慎重で、まるで不用意に彼女の身の上の卑しい感情に触れてしまいそうな様子だった。

しかし今や黎少雲が加わったことで、これらのクラスメートたちの態度は同情から羨望へと変わった。

黎少雲の手配を受け入れた以上、景雲昭もこれ以上文句を言わず、やがて訪れる高校三年生の時間に向けて心を落ち着けて準備し、日々を独自の方法で過ごしていた。

数ヶ月が過ぎ、空気も暑くなってきた頃、玉霊酒業の周年記念を迎えた。

景雲昭はこの裏の社長として当然出席しなければならなかった。

一年の時間で、玉霊酒業はすでに一つの世界を切り開き、今や寧市全体で名を轟かせ、さらに製品は全国に広がり始め、注文が殺到していた。

ただし玉霊酒業の工場面積には限りがあり、この一年間は休みなく操業しながら工場の拡張も始め、営業額は優に百億を超え、原材料の大部分が景雲昭の空間から出ているため、純利益の占める割合も極めて高く、このような新会社は全国でもほとんど見つからないほどだった。

玉霊酒業の成功は景雲昭の予想通りだった。結局のところ、先祖から受け継いだ製法はすべて極上の宝物で、一度味わった人は誰もが、その独特さを見分けることができた。そのため、このような成長速度は彼女にとって、驚くべきものですらなく、もっと良くなる可能性があった。

寧市は繁栄の一途を辿っていた。

白俞安が自ら運転して景雲昭を迎えに行き、車は寧市で最も豪華なホテルの前に停まった。

星が輝き、雰囲気は緊張感に満ち、空気中にはかすかな酒の香りが漂っているようだった。景雲昭が入場すると、この賑やかな光景を目にし、瞳は誇らしげに輝いた。

玉霊酒業のすべては白俞安と項瑾が取り仕切っているとはいえ、大規模な変更はすべて彼女の承認と同意を経ており、この会社も完全に彼女が一手に育て上げたものだった。