第551章 旧敵の帰還

蘇楚は一瞬戸惑った。確かに彼女はさっきこの女の子を褒めていたのに、なぜか今はこの女の子から敵意を感じるような気がした。

しかし、他人の場であり、面倒事に巻き込まれたくなかったので、ただ「これは友達からもらったもので、私の一番のお気に入りのアクセサリーなんです」と言った。

彼女の家である蘇家は裕福な家庭とは言えず、小遣いは多いものの、当然これらの御曹司たちのように数十万や数百万を簡単に使えるわけではなかった。まるでそのお金が風に吹かれて来たかのようだった。

その女の子は笑って何も言わず、入り口を見上げると、自分の友達を見つけて急いで「嘉思！私はここよ！」と呼びかけた。

聞き覚えのある名前に、皆が一瞬驚いて、その方向を見た。

入場口から一人の女の子が歩いてきた。大きなウェーブのパーマをかけ、真っ赤なショートドレスを着て、ウエストには一周クリスタルが輝いていた。