第616章 因果応報

この夫婦は今になって後悔していた。もし小娘に発見されることを知っていたら、最初に遺体を火葬してから騒ぎを起こすべきだった。ただ、当時は遺体がなくなったら医師が認めないかもしれないと恐れて、それで…

女は泣き続けていたが、景雲昭は彼女が泣いているのは自分自身のためであって、亡くなった命のためではないことを知っていた。

彼らの目には、おそらくこの老人は年を取りすぎて、早かれ遅かれ死ぬ運命だったので、具体的にいつ死ぬかは問題ではなかった。

この女は今や嘘をつく勇気がなかった。時間が一分一秒と過ぎていき、ここに留まれば留まるほど、警察に捕まるリスクが高まるからだ。

思い切って真実をすべて包み隠さず話すことにした。

しかし、すべての話が明らかになった後、この夫婦の息子は完全に呆然としていた。

彼は祖父が事故で転んだと考えていたし、両親が祖父が転んで死んだのか薬を飲んで死んだのか区別がつかなくて騒ぎを起こしたのかもしれないとも思っていた。しかし、両親が意図的に問題を甘先生に転嫁しようとしていたとは思いもしなかった…

「お母さん!あなたたち本当にひどすぎる…」この若い男性は頭を抱えて泣き出した。

彼は父親が祖父に冷たいのは、祖父が若い頃に無責任だったせいだと知っていた。しかし、人は既に老いているのだから、感情がなくてもこれほど冷酷になる必要はないだろう!

両親は恐怖と不安に満ちた表情で言った:「お嬢さん、あなたは約束したじゃないか…」

「この二人の馬鹿者め!」景雲昭が口を開く前に、甘旦那さんが怒鳴った。男を睨みつけて言った:「お前の父親は私と話すたびに、お前の悪口を一言も言わなかった。それどころか、もしかしたらここから引っ越すかもしれないとも言っていた。彼は既にお前たちの要求を受け入れようと考えていたんだ。お前たち二人の態度があまりにも悪くなければ、あの家はとっくに売られていただろう!」

普段会えば喧嘩ばかり、老人が安心して家を売れるだろうか?

売った後、老人には住む場所がなくなり、息子夫婦と一緒に住むしかなくなる。一日二日ならまだしも、長期間続けば、それは絶対に家庭の平和を乱すことになる!

この夫婦が考えていたのはお金だが、老人が考えていたのは「調和」だった。だから頑張って耐えていたのに、結果がこうなるとは思わなかった。