第637章 本当に幸せ

齊先生のその老けた顔は少し硬くなり、まるで初めて黎少雲を知ったかのようだった。

普段は彼がこんなに自慢するのを見たことがなく、むしろいつも話すときは何もかも見下すような態度で、その雰囲気は常に誰にも比べられないほどだったのに、今はなんと、少し優しさが加わったように見える?

黎少雲は容姿が際立っており、皆は思わず何度も見つめた。彼が景雲昭の側に座るのを見ると、その表情は落ち着いていて、まるで本当に景雲昭の年長者であるかのようだった。

しかし黎少雲は現れた蘇楚と甘堇辰の顔を見ると表情が曇った。一ヶ月分の小遣いをすべて献上してしまったので、これからの日々は二人とも食事をたかるしかなく、あまりにも可哀想だ!

「若いの、君は景雲昭さんのお兄さんかな、それとも…」後ろから誰かが黎少雲の背中を見て、尋ねた。