彼女たちの記憶が正しければ、黎少雲が入ってきた時、景雲昭にこんなにかっこいい兄がいることを羨む人もいたのに、あっという間に変わってしまったなんて!
「雲昭、本当に尊敬するよ。同じ医学を学んでいるのに、どうして私はこんなに愚かなんだろう?」甘堇辰は完全に感服した。
「褒めて慰めてほしいのか?私がそういう人間じゃないことは知っているだろう」景雲昭は彼を一瞥して言った。
甘堇辰の口角がピクリと動いた。
蘇楚と甘堇辰の両親も景雲昭を褒めずにはいられなかった。彼らも医術を心得ていたが、先ほどはそこまで考えが及ばなかったのだ。
一方、傍らにいた江蓉の顔色は完全に変わり、目に浮かぶ驚きは言うまでもなかった。
景雲昭は以前彼女の息子を救ったことがあったが、その時は普通の応急処置の知識だと思い、景雲昭はただ反応が早く勇気があるだけだと思っていた。しかし、彼女が本当にそんな能力を持っているとは思わなかった。