第646章 問罪

卓海洋は表情を緩め、心の中で満足の色を見せ、紳士のふりをして景雲昭のために車のドアを開けた。

景雲昭にとって、これが卓海洋との初めての正式な対面だったが、この出会いで彼女は以前に資料で見ただけでなく、ずっと前から白俞安と一緒にいる時にも、いつも周囲にこの人物の姿があったことに気づいた。

しかし当時の状況は尾行というよりも偶然の出会いのように見えたので、彼女は気にしていなかった。

今考えると、卓海洋はずっと前から玉霊酒業の酒の製法に興味を持っていたのだろう。ただ、その時は製法が彼女のものだとは知らなかったので、彼女に興味はあっても手を出さなかったのだ。

当時彼が彼女の周りに現れたのは、おそらく白俞安に注目していたからだろう。

景雲昭は道中沈黙を保ち、レストランに着くと、店員に案内されて二階の個室へと向かった。