第650章 猥褻未遂

卓海洋は当然のことながら頑として認めなかったが、この時、景雲昭は頭を下げて黙っていた。警察官たちは彼女の様子を見て、かなり怯えているようだと感じ、一人一人が思わず同情の念を抱いた。

「この方は景お嬢様を見る目つきがとても異常でした。景お嬢様は彼の前では話すことさえできないほどです。私たちが入ってきた時、この卓さんは景お嬢様に不埒な行為をしようとしていました。景お嬢様は反射的に身を守ろうとして、それで彼の...まあ...とにかく蹴ったんです。景お嬢様は故意ではなく、完全に彼に強いられたものです!」あるウェイターが自分の想像力を発揮して、警察官に説明した。

「お前は******たわけ!」卓海洋はそれを聞くと、すぐに怒り出し、そのウェイターを指さして罵った。

彼は確かに景雲昭にそういう気持ちを持っていて、何かしようとしていたのは事実だ。しかし、彼が景雲昭の髪の毛一本触れる前に、景雲昭に蹴られてしまった。今でも下半身の痛みは消えておらず、彼は景雲昭に一蹴りで不能にされたのではないかと疑っていた!

しかしこの御天鮮の従業員ときたら、目を開けて嘘をつき、彼が景雲昭に手を出したと言うなんて、そんなはずがない!

この店の店主は頭がおかしいのか、彼が卓社長だと知っていながら、少しも顔を立ててくれない?一人の小娘をかばって!

卓海洋が汚い言葉を吐き始めると、警察官たちも眉をひそめた。この事件は大きな事件とは言えないが、この御天鮮は県内で非常に有名であり、どのような場合でも店主の顔を立てる必要があった。さらに、これらのウェイターたちが証言を手伝っている以上、卓海洋が何も悪いことをしていないはずがなかった。

そのため、数人は卓海洋の様子を見て、嫌悪感と軽蔑の念を抱いていた。

すぐに、彼らは卓海洋を連行して立ち去った。そして黎少雲の黙認のもと、杜霖はすぐに知り合いの記者に連絡し、撮影した写真を送信した。

卓海洋は景雲昭と交渉するために特別にやってきたのに、羊肉を食べることもできず、かえって面倒なことに巻き込まれるとは思ってもみなかった!

それだけでも十分だったのに、秘書に来てもらって警察署から保釈されたばかりのところに、また数人の記者が現れた。卓海洋の顔色は一気に暗くなった。